感染制御薬剤師として求められている姿




感染症は特殊なものではなく、私たちの身近に存在します。発展途上国に多いイメージの結核やマラリアなどは先進国でも常に発生しており、死因の実に1/4は感染症によるものと言われます。

疾病の重篤化を予防し健康を維持するためには感染の予防・対策が欠かせず、そのエキスパートとして活躍できるのが感染制御専門薬剤師です。

感染制御専門薬剤師の仕事や役割とはどのようなものか、そして感染制御専門薬剤師になるにはどうしたらよいのかを紹介します。


感染制御専門薬剤師の仕事や役割とは

感染制御専門薬剤師とは



近代医療には様々な消毒薬や抗生物質が欠かせません。これらは治療に効果がある反面、危険性や使用禁忌、合併症リスクなどをはらんでいます。

こういった医薬品を安全に取り扱い、感染症を予防・制御するための専門知識とスキルを持った薬剤師を育成すべく、2006年に社団法人日本病院薬剤師会によって制定されたのが、感染制御専門薬剤師という資格です。

感染制御専門薬剤師の仕事

感染制御専門薬剤師は、医師や看護師ほかの医療スタッフと構成するチーム医療の一員として、薬剤の専門知識を活かして働きます。

具体的には、消毒薬や抗生物質に関する院内マニュアルを作成し、医療従事者への注意喚起を行ったり、必要に応じて勉強会を開催し、スタッフの教育や指導を行います。


感染症や薬剤耐性菌についての最新の情報を医療機関や学会、研究施設などから収集、把握し、その情報を提供したり、院内の適正使用について検討するのも、感染制御専門薬剤師の仕事です。

現場では、消毒薬や抗菌薬の適正使用、医療器具の汚染防止、医療廃棄物が適正に処理されているか指導、監視を行います。


感染症患者に対しては、インフェクションコントロールドクターや感染症専門看護師とともに医療チームを組み、薬剤師として適正な感染予防対策を施しながら感染症患者の治療に貢献します。また、感染予防のための医薬品の確保、管理という仕事もあります。

高度な医療を提供する大学病院や総合病院、感染症や院内感染が発生する可能性がある施設などが、感染制御専門薬剤師の主な活動の場です。具体的な活動内容については、病院の方針や施設によっても異なります。

感染制御専門薬剤師の役割

感染制御専門薬剤師の一番の役割は、医療現場に欠かせない「安全な環境づくり」を担うことです。適正な薬物治療を行える環境を整えることで医療の現場をサポートし、患者さんには安心感をもたらします。

高い専門知識を活かして、患者さんの命を救うことにも貢献します。肝不全や腎不全など合併症によって生命の危機にさらされる感染症患者に対し、薬学の専門知識を活かして強力な抗生物質を適切に投与することで、過去には救えなかった命を救えるケースがあるのです。


あらゆる薬剤を理解し、効能と副作用の両方を熟知する専門薬剤師であるからこそできることであり、感染症予防のエキスパートとしての役割といえます。

薬剤師は医師の処方通りの薬剤を調合するのがメインとなる業務ですが、そこから一歩踏み込んで医師の補佐、チームのサポートを行い、能動的に先進医療に貢献するという役割を、感染制御専門薬剤師が担っています。

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感染制御専門薬剤師になるには


いくつもの条件を満たす必要性

高い専門知識と経験が必要とされる感染制御専門薬剤師になるためのハードルは、決して低いものではありません。下記のような要件を満たす必要があります。

・薬剤師として5年以上の実務経験を積んでいる
・日本病院薬剤師会の会員である
・感染制御認定薬剤師である
・3年以上院内感染対策チームに所属し活動している
・感染防御業務の実績が20例以上ある
・所定の講習会を履修している
・施設の所属長からの推薦状がある


上記を満たし、日本病院薬剤師会が行う認定試験に合格することで、感染制御専門薬剤師になることができます。認定薬剤師となって、さらになおスキルアップを目指すものであり、感染制御分野のスペシャリスト中のスペシャリストと言うことができるでしょう。

感染制御専門薬剤師に求められる適性

感染制御専門薬剤師に必要なのは、薬剤に関する深い知識だけではありません。医療、そして薬に関する研究は日々進んでおり、最新の情報を収集し学び続ける姿勢が求められます。

薬剤に関する情報を医療スタッフや患者さん、その家族に分かりやすく伝えたり、関連医療機関、研究機関、製薬企業の担当者と情報交換を行うコミュニケーション能力も必要とされます。

感染の可能性がある緊急時には、迅速で適切な判断を下し、指揮を執って処理できるだけの行動力が必要になります。

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感染防御専門薬剤師として働くには



薬剤師として経験を積み重ねていくと、「もっとスキルを高めたい」「積極的に患者さんの治療に関わりたい」「安心して治療を受けられる環境を薬剤師として支えたい」「さらなるキャリアアップを目指したい」という方は、その実現方法として、感染防御専門薬剤師になるという選択肢があります。

資格を取得した後の勤務先ですが、求人要項として「感染制御専門薬剤師」が条件に掲げられる求人は少ないものの、選考では資格が大きなアドバンテージとなることは間違いありません。


スキルを活かして働ける病院や、より条件の良い企業へと転職できる可能性が高くなります。仕事の幅が広がって、チーム医療の一員として期待に応えながらやりがいを感じることができるでしょう。

まずは情報収集から始めてみてください。薬剤師専門の転職サイトのエージェントは、薬剤師転職のプロです。転職先の相談だけでなく、自分のキャリアや専門看護師の仕事についてアドバイスを受けることもできます。

<感染制御専門薬剤師として求められている姿・まとめ>

  • 薬剤の適正な使用や感染症予防、対策を担う
  • マニュアル作成や指導、情報提供や汚染防止など様々な業務がある
  • 感染予防チームの一員として活躍
  • 安全な環境を作り先進医療をサポートする
  • 認定看護師となって実績を積み推薦を受けて受験できる
  • 学び続ける姿勢、コミュニケーション力や行動力が必要

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