治験コーディネーターの仕事を紹介します!




看護師や薬剤師、検査技師など、医療従事者が就くことのできる職業のひとつに、治験コーディネーターがあります。

専門知識や経験を活かせるのはもちろん、患者さんにより近い立場で接したり、多くの関係者とコミュニケーションをとって広い視野を身につけられる仕事です。

治験コーディネーターとはどんな仕事なのか、治験コーディネーターの仕事内容について簡単に紹介しましょう。


治験コーディネーターとは

治験について

治験は臨床試験のひとつで、製薬会社や医療機器メーカーが新たな医薬品、医療機器の候補を実際に人に使用して、有効性や安全性を確認するものです。結果によって厚生労働省への申請を行い、承認されれば新たな医薬品、医療機器として製造、販売が可能になります。

薬の候補物質の発見や医療機器開発の開始から、一般の方々へ使用されるまでは、およそ10~20年の時間、150~200億円もの金額が費やされ、なかでも治験は重要な過程のひとつです。


まずはネズミなどの動物に対する試験を終え、有効性と安全性が期待出来れば、いよいよ治験が行われます。治験にはⅠ相~Ⅲ相まで3つの段階があります。

第Ⅰ相では少数の健康な成人、第Ⅱ相では少数の対象疾患患者、第Ⅲ相ではより多くの患者さんを対象として、有効性や副作用について評価していきます。


このⅠ~Ⅲ相の試験をクリアしたものについて、試験結果を厚生労働量に提出するまでが治験であり、この治験全体が円滑に行われるために様々な業務を行うのが、治験コーディネーター(Clinical Research Coordinator、CRC)の仕事です。

治験に関わる方々の間に立ち、調整する



治験には、新薬や機器を開発する企業の方々、治験を担当する医師や研究者、医療スタッフ、治験を受ける患者さんやボランティアの人々など、多くの人間が関わって進められます。それぞれの担当者の間に立って調整するのが、治験コーディネーターの役割です。


このような開発は昔から、継続して行われていることであり、治験コーディネーターもまた昔からある職業です。

現代においては、超高齢化社会の進行に伴い様々な病気に対応する医薬品の需要は増しています。そんな医薬品や医療技術の開発に欠かせない治験コーディネーターの存在意義、重要性もまた、高まっていると言えます。

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臨床開発モニター(CRA)との違い

治験コーディネーター(CRC)とよく似ていると言われるのが、臨床開発モニターです。2つの職業は、どの立場で働くかという点で大きく異なっています。

CRCは治験が行われる病院など医療機関・施設側の立場として、CRAは製薬・医療機器メーカー側の立場として働きます。治験の計画を立てたり実施病院を決めるのはCRA、治験が円滑に進むようにサポートするのはCRCの仕事です。

治験コーディネーターと臨床開発モニターは、それぞれが大きな役割を担っています。


治験コーディネーターの仕事をご紹介!


企業から派遣され治験を担当

治験コーディネーターは主に企業へ勤務し、治験の要望に応じて配置されます。細かな業務は企業によりけりですが、基本的な流れは共通しています。

治験の準備~治験~治験終了までのあらゆるサポートが、治験コーディネーターの仕事です。治験のルールであるGCPを守った適切な治験がスムーズに進むよう、各部署を調整=コーディネートします。


患者さんほかの被験者だけでなく、製薬会社、医師、各医療従事者、病院関係者など多くの方たちと接して、広い視野で仕事に当たります。

治験の流れに沿って、治験コーディネーターの仕事の要点をまとめてみましょう。

治験準備段階

まずは臨床開発モニターが作成した治験実施計画書(プロトコール)を読み込んだうえで、勉強会に参加し、不明点や疑問点を解消します。

対象疾患について知識を吸収し、治験概要や検査項目、スケジュール、禁止事項などを記載した資料を作成していきます。


この資料をもとに、関係医療現場従事者向けの治験説明会である「スタートアップミーティング」が行われ、治験コーディネーターは資料準備以外にも司会などでサポートします。

治験に使用する検査キットを受け取り、管理をして治験に備えます。


次は被験者のスクリーニングです。ドクターからの紹介や医療情報システム、広告などを利用して、治験内容に合った被験者を募集します。治験内容、来院スケジュールや予想される副作用について十分に説明し、治験の同意を得ます。

併用禁止薬を服用していないかなど様々な点に注意しながら、一人でも多くの候補者に治験に参加してもうよう促すのは、治験コーディネーターの仕事のなかでも大切、かつプレッシャーのかかる業務です。

治験開始から終了まで



被験者のスケジュール通りの来院を確認し、面談では服薬管理、残薬回収、有害事象の有無など状態確認を行います。

医師の診察に同席し、治験実施計画書通りの振興課をチェックします。事務的な確認に終わらず、被験者の相談窓口として対応も重要です。


医師の症例報告書作成のサポート、チェックは、治験コーディネーターの重要な業務です。多くの場合、電子化されたデータ管理が利用されていて、医学的判断を要しない範囲でのカルテや投薬記録、検査結果、投影画像などを資料から転記、確認します。

治験現場で働く薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、看護師、受付や事務課など各関係スタッフと、確認・調整を行っていきます。


稀に起こりうる治験のなかでの副作用を有害事象と呼びますが、この一次対応を行うのも治験コーディネーターの仕事です。緊急対応であり、正確性が求められます。

製薬会社や臨床開発モニターとの打ち合わせや質問・資料閲覧の要望に応えたり、厚生労働省からの委託機関の監査に応じることもあります。


症例の追加依頼が来た際にしっかり応えられるかどうかは、治験コーディネーターの腕の見せどころです。

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治験コーディネーターの一日

治験コーディネーターの1日のスケジュール例を参考にしてみてください。

9~10時  出社。メールチェック、スケジュール確認、 医療機関への直行もあり

10~11時 来院予定被験者のカルテチェック、医師・コメディカルの方への報告・打合せ、被験者の検査結果確認

11~13時 被験者対応。服用状況・体調変化の確認、診察の同席、服薬指導、次回来院のスケジュール確認、治験協力費支払いの手続き、治験薬管理など

13~14時 昼食

14~16時 医師、臨床開発モニターとの打合せ、資料・カルテ確認、状況報告など

16~18時 メール対応、症例報告書作成、業務報告、翌日準備

18時   退社

<治験コーディネーターの仕事をご紹介!・まとめ>

  • 治験が円滑に進むよう全体をサポートする職業
  • 多くの治験関係者の間に立ち、調整する役割
  • 治験を行う施設側の立場で業務を遂行
  • 治験の準備から終了まで、様々なサポート業務がある
  • 被験者の確保や症例追加への対応などが腕の見せ所
  • 被験者の相談を受けたり医師の報告書作成を手伝う

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