日本と全然違う?海外の薬剤師事情について




日本で薬剤師の仕事をしていると「海外事情はどうなのかな?」と気になる人もいるようです。欧米では薬剤師の地位が高く、最も信頼される職業のひとつとなっています。我が国でも薬剤師は信頼される職業ではあるものの、その立ち位置には少し差があるようです。

はたして、海外の薬剤師事情はどうなっているのでしょうか。以下に諸外国の薬剤師の状況や立場などを詳しく紹介します。


海外の薬剤師事情ってどうなってるの?

世界で初めて薬剤師が誕生したのは、13世紀の神聖ローマ帝国の時代といわれています。皇帝フリードリヒは自らの毒殺を恐れ、医師が薬剤師を兼ねることを禁止しました。

暗殺を計画する一味に加担した医師が皇帝の服用する薬に毒を盛るのを防ぐため、医師の処方を鑑査したうえで調剤を行なう薬剤師という独立した職業が誕生したわけです。


これは現代につながる医薬分業の始まりでもあり、ヨーロッパにおける薬剤師の歴史の始まりでもあります。

フリードリヒ皇帝の時代から700年以上もの薬剤師の歴史があるヨーロッパでは、現在でも薬剤師は医師と同等の地位であると考えられているのです。

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米国の薬剤師事情



米国における薬剤師は「最も信頼できる職業」として尊敬されています。日本のように安定した公的保険制度が整っていない米国では、患者さんの多くは医薬品によるセルフメディテーションを行なっています。

その相談相手が薬局の薬剤師であり、信頼や尊敬を集める社会的地位の高い存在です。


一方、病院薬剤師は医師や看護師などのスタッフと医療チームで働く存在です。スタッフの一員として患者さんの診療に携わり、薬物療法の提案やカウンセリングを担当します。カリフォルニアなど米国の一部の州では、薬剤師は医師よりも給料が高く患者さんの信頼を受けています。

ちなみに米国の薬剤師の平均年収は約1280万円で、日本の約530万円の2.4倍と大きく上回ります。

イギリスの薬剤師事情

イギリスには薬事の専門職であるファーマシスト(薬剤師)、その下位資格であるファーマシー・テクニシャン(調剤技師)、ファーマシー・アシスタント(調剤助手)の3種類があります。

ファーマシスト(薬剤師)は病気治療や健康管理を行なう存在であり、テクニシャンはファーマシストの監督下で調剤や鑑査などの業務に従事します。アシスタント調剤や混合業務を担当するものの、限られた仕事のみを行なう存在です。

英国王立薬剤師会に登録しているファーマシストは処方を行なうことができるなど、高いステータスを持ち患者さんから信頼を寄せられる職業となっています。

中国・韓国の薬剤師事情

中国の薬剤師資格は1級から3級まであり、免許取得の資格試験はかなり厳しく設定されています。上位級の資格取得は実務経験が要求され実力のない薬剤師は進級できません。免許取得後も常に勉強が求められます。それもあって薬剤師は医師と同様に尊敬され信頼される職業です。

韓国の薬剤師はエリート的な存在で、年収は一般的な会社員の2倍以上です。西洋医学・東洋医学の2種類の薬剤師がいますが、どちらも権威がありステータスの高い職業となっています。それだけに薬科大学の競争率は高く、熾烈な受験戦争を勝ち抜かなければなりません。

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欧米と日本の薬剤師の違いとは



欧米の薬剤師は高い知識と技術を持ち、市民や患者さんから信頼される職業のひとつです。中には医師と同等、もしくは医師以上に尊敬され信頼されているケースも見られます。

日本の薬剤師も知識や技術では劣らないものの、社会的地位の点で医師以上の存在とは認められにくいのが現状です。

では具体的にいって、欧米と日本の薬剤師にはどんな違いがあるのでしょうか?

薬剤師の決定権の違い

薬剤師は薬学の専門境域を受けた薬物療法のプロです。しかし、患者さんの薬物治療に関する決定権には欧米と日本で大きな差があります。

米国では薬剤師の判断で処方薬を再度調剤できる「リフィル処方箋制度」が実施されています。医師の処方箋の有効期限内であれば、医師への相談なく薬剤師の判断で再度調剤が可能というシステムです。


フランスでも米国と同様、リフィル処方箋制度が導入されています。さらに、薬剤師は医師の処方箋に記載された成分と同じ成分を持つジェネリック医薬品を自己判断で選択し、患者さんに渡すことができます。

こうした決定権は日本の薬剤師には認められていないもので、欧米の薬剤師との違いが明確に表われている部分といえるでしょう。

患者さんの意識の違い



欧米と日本では、薬剤師に対する患者さんの意識にも違いがあります。日本の薬剤師は患者さんから親しまれ、地域の医療を支える存在ですが欧米はどうでしょうか。

米国では病気やケガの治療費が高いため、体調不良の際は薬局で市販されている医薬品を利用するのが一般的です。市販薬を利用する際には薬剤師のアドバイスを受けますが、多くの患者さんはその助言に高い信頼を寄せ価値を感じています。こうしたことから、薬剤師は市民から尊敬される存在となっているのです。


カナダの薬剤師は「市民に信頼される職業TOP3」に数えられる存在です(ほかの2つは外科医と牧師)。その理由は薬に関する的確な知識やアドバイスが挙げられ、専門職として高い信頼が寄せられていることが分かります。

欧米の市民は何らかの情報を得ることに対し「情報はタダではない」という意識を持っています。薬剤師から処方薬について説明してもらったり、自分に適した医薬品を紹介してもらうことに対して「価値ある情報を提供してもらっている」という意識が強いのです。


日本の患者さんのなかには「知識の提供は当たり前」「面倒な説明は聞きたくない」という人もいます。これも欧米と日本の大きな違いといえるかもしれません。


医薬分業が進められているなか、日本の薬剤師の地位向上は未だに実現していません。しかし、個々の薬剤師の努力で、患者さんからの信頼を得て尊敬される存在になることは可能です。そのためには知識や技術の向上などの、薬剤師としてのスキルアップが必要になってきます。

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海外の薬剤師事情についてのまとめ

  • 欧米の薬剤師は患者さんから信頼される存在
  • 中国や韓国でも専門職として尊敬されている
  • 日本と欧米の違いは薬剤師の決定権の差にある
  • 欧米ではリフィル処方箋制度などが導入されている
  • 患者さんの薬剤師に対する意識も欧米とは違う

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